名大ウォッチ

新聞社で長く科学報道に携わってきたジャーナリストが、学内を歩きながら、
大学の今を自由な立場で綴っていきます。

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 名古屋大学に関して特筆すべきことの一つに名古屋大学出版会の存在がある。東京の知人からそう聞いていた。小さいながら、「学術書の出版賞受賞の打率は抜群に高く、優れた出版を続けている」という。その秘密を探ってほしいと託されてもいた。 その出版会について、8月13日付毎日新聞の書評欄に「本書を出版した団体の意欲と勇気」、そして「今学術出版でこれほどの覇気を見せているのは他に見当たらない」と、これ以上ないくらいの賛辞が捧げられていた。取り上げられた本は「原典 ルネサンス自然学」、上下...

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2017年08月21日

同窓生がつなぐもの

 マレーシアの首都クアラルンプールにあるマラヤ大学の講堂で7月31日、「ノーベル賞への道」と題した益川敏英特別教授の講演会が開かれた。これまでに20回以上も聞き役を務めてきたベテランの杉山直・理学研究科長が今回も登壇、マラヤ大教授の質問に答える形で、益川さんの子供の頃の思い出から学生時代、ノーベル賞につながった研究、そして若者へのアドバイスまで、知られざるエピソードも交えながら話を引き出していった。大講堂を埋めた学生たちは感激の面持ちで聞き入り、次々に質問も出た。 [[grp...

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 「名大の自動車工学は世界的に関心の的、インドでも有名になってきましたよ」 東京大学のインド事務所長を務める友人の言葉だ。自動運転が注目される今、「世界一のトヨタ」のイメージが名大と重なっている面もありそう、とも言うが、「名大の自動車工学」の看板が光っているらしい。インドの最高学府インド工科大の教授の息子も昨年、名大に入学したという。 自動車工学の看板は工学部ではなく、英語で講義を受けられるグローバル30プログラムの一つとして掲げられている。看板が掲げられていなくても、その中...

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 名古屋大学理学研究科では、30代半ばで教授に就任した女性2人が活躍している。全国を見渡しても、まず例のない若い女性教授だろう。そもそも男性でもこの年代で教授になることは珍しいが、名大では若くして教授になる例がある。職位にとらわれずに交流ができる自由な雰囲気に加え、「女性の名大」といわれるだけのさまざまな努力も背景にあるのだろうか。その中には、女性に限定した採用枠という思い切った手立てもあった。  女性限定の公募によって2011年に採用されたのは生命理学専攻の上川内あづさ教...

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 名大と言えば? 「ノーベル賞」かもしれないが、東京の知人たちからは「名大と言えば、アジア」、そして「名大と言えば、女性」という答えが返ってきた。後者はもっぱら女性からだったが、松尾清一総長が昨年、中国でインタビューを受けた際のテーマはノーベル賞と男女共同参画だったそうだ。名大の男女共同参画の取り組みは、国内外で名大の代名詞といえるほどに知られているようだ。  その名大の男女共同参画が今、一つの大きな節目を迎えている。まず、男女共同参画室が7月1日から男女共同参画センターに格...

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著者

辻 篤子(つじ あつこ)

1976年東京大学教養学部教養学科科学史科学哲学分科卒業。79年朝日新聞社入社、科学部、アエラ発行室、アメリカ総局などで科学を中心とした報道に携わり、2004〜13年、論説委員として科学技術や医療分野の社説を担当。11〜12年には書評委員も務めた。2016年10月から名古屋大学国際機構特任教授。

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