名大ウォッチ

新聞社で長く科学報道に携わってきたジャーナリストが、学内を歩きながら、
大学の今を自由な立場で綴っていきます。

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2019年04月18日

数学を支える人々

 大学での研究や教育は、さまざまな役割を担う人たちによって支えられていることはいうまでもない。あらゆる学問分野に共通の部分があれば、その分野に特徴的な部分もある。数学にかかわる人たちがちょうどこの春、それぞれに節目を迎えたのを契機に訪ねると、そのユニークな活動を通じて、ちょっと近寄りがたい感じもある数学のいろいろな顔が見えてきた。  まず、数学博物館を作ろうという試みを中心になって進めてきた名古屋大学多元数理科学研究科の伊藤由佳理・元准教授だ。過去形で語らなければならないのは...

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 「こんな本があった!」と題された展示が西尾市岩瀬文庫の企画展として開かれている。副題は「岩瀬文庫平成悉皆(しっかい)調査中間報告展16」である。漢字ばかりで一瞬戸惑うが、それを読み解いた説明によると、「平成12年度から継続している岩瀬文庫の全資料調査の過程で出逢った珍しい本や新たな発見などをいち早く紹介する、年度末恒例展示の第16弾」である。 岩瀬文庫は明治時代の地元の実業家、岩瀬弥助が集めた江戸時代を中心とする古書の図書館として、全国でも知る人ぞ知る存在だ。その8万冊に及...

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 松尾清一総長は1970年に入学して以来、米国留学や病院勤務の数年を除くと、ほぼ半世紀にわたって名古屋大学で過ごしてきた。医学部の学生から名大病院での教員、病院長、そして本部の産学官連携推進本部長、総長となり、大学との関わりが広がってきた。現在は政府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の議員などとして、外から大学を見る立場でもある。名大を見る目はどう変わり、これからの名大像をどう描いているのか。                                 (聞き...

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 国際稲研究所(IRRI)と言えば、かつて高収量のイネを開発して緑の革命に貢献し、人類を飢餓から救ったことで知られる世界的なイネ研究のメッカである。フィリピンの首都マニラの南東約60キロに位置するロスバニョスにある。この分野の研究者にとっては憧れの存在でもある。現在は、地球の温暖化が進み、さらに都市化も進んで当時とは大きく異なる環境のもと、しかし、人口増により確実に増えていくコメの需要にいかに応えるか、という複雑で困難な課題に取り組んでいる。名古屋大学はそのIRRIと学術交流...

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 就活、すなわち就職活動が大学教育にいかに大きな影響を与えているか、改めて考えさせられた。きっかけは昨年12月に東京大学で行われた「工学系大学院の就職・採用活動を考える」公開シンポジウムでの名古屋大学工学研究科の川尻喜章教授の講演だ。このシンポジウムは、就活によって修士課程の学生の研究と教育に大きな支障が生じている現状への危機感から、旧7帝大に東工大を加えた8大学の工学部や工学研究科などが集まった八大学工学系連合会が開いた。会長は現在、名大工学研究科長の水谷法美教授が務めてい...

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著者

辻 篤子(つじ あつこ)

1976年東京大学教養学部教養学科科学史科学哲学分科卒業。79年朝日新聞社入社、科学部、アエラ発行室、アメリカ総局などで科学を中心とした報道に携わり、2004〜13年、論説委員として科学技術や医療分野の社説を担当。11〜12年には書評委員も務めた。2016年10月から名古屋大学国際機構特任教授。

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