名大ウォッチ

新聞社で長く科学報道に携わってきたジャーナリストが、学内を歩きながら、
大学の今を自由な立場で綴っていきます。

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 2017年1月から3年余りにわたって掲載してきたコラム「名大ウォッチ」を20年3月末で終えることになりました。これまでのご愛読に感謝します。 「外部からの視点で自由に書く」というミッションのもと、興味の赴くままにキャンパスを歩き回ってきました。取り上げたかったテーマはまだまだあり、連載開始にあたって掲げた欲張りな抱負、「大学を丸ごと」には到底及びませんでしたが、あまり外からは見えない、実は学内でも案外知られていない、そんな名大のユニークな素顔の一端を多少なりとも紹介できたの...

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2020年02月27日

AI時代がやってくる

 「A I研究をリードする世界のトップ研究所や大学のリストに日本は出てこない。日本の研究者の存在感も薄い。大学での若手研究者の育成と活躍をもっと進めなければ」。音声分野の情報処理研究で知られ、豊田工業大学シカゴ校の理事長を務める古井貞煕さんは、「米国から見た日本における人工知能の教育・研究」と題した特別講演でこう厳しく指摘した。1月末に開かれた名古屋大学情報学シンポジウム2020「人工知能技術がもたらす価値創造と情報学の使命」でのことだ。 一方、最後に登壇した情報学研究科の久...

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 私たち人間の身体がさまざまな伝達物質によってうまく制御されているように、植物にも同様の仕組みがあるはず。それを解き明かそうというきわめて基礎的な研究から、植物の新品種の開発をめざすベンチャー企業が生まれた。宇宙の始まりのビッグバンに迫るなどの加速器実験に携わっていた物理学者は、そこから生まれた技術を他で生かそうと会社を興した。せっかくの新技術を企業が実用化しないなら、自分たちで引き受けようと起業した工学研究者もいる。大学の最先端の研究室から社会へ、その道はどのようにして切...

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 伊勢湾台風から60年を迎える一方、台風15号、19号といった大型台風による被害が相次いだ2019年が終わり、新しい年になってまもなくの1月17 日は阪神・淡路大震災25年だった。節目の年とあって、新聞やテレビなどでさまざまな特集が組まれた。その1週間後、政府の地震調査研究推進本部は南海トラフ地震によって3m以上の津波が静岡県伊豆地方から九州東部にかけて26%以上の高い確率で押し寄せるとの評価結果を発表した。スーパー伊勢湾台風のような強大な台風襲来の可能性も言われ、大災害のリ...

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 5000人を超える犠牲者を出した1959年の伊勢湾台風はいうまでもなく、日本の災害史に残る巨大災害であり、2年後の災害対策基本法の制定につながり、名古屋大学工学部に土木工学科と建築学科ができるきっかけともなった。それからちょうど60年になる2019年、名大の減災連携研究センターを中心に、特別企画展やシンポジウム、ゆかりの地を訪ねる巡検ツアーなどさまざまな記念事業が行われた。この大災害の多様な側面が浮かび上がり、さらに強大な「スーパー伊勢湾台風」の来襲もいわれるなか、決して過...

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著者

辻 篤子(つじ あつこ)

1976年東京大学教養学部教養学科科学史科学哲学分科卒業。79年朝日新聞社入社、科学部、アエラ発行室、アメリカ総局などで科学を中心とした報道に携わり、2004〜13年、論説委員として科学技術や医療分野の社説を担当。11〜12年には書評委員も務めた。2016年10月から名古屋大学国際機構特任教授。

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