名大ウォッチ

新聞社で長く科学報道に携わってきたジャーナリストが、学内を歩きながら、
大学の今を自由な立場で綴っていきます。

RSSを購読する

 IEEE(アイ・トリプル・イー)は、160カ国以上に42万人の会員を抱え、技術の世界では知らない人のいない、世界最大の学会である。電気電子学会(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)の頭文字をとったものだが、今や電気工学と電子工学を大きく超え、コンピューター科学から物理学、バイオなども含むため、この略称が正式名称として使われている。米国に本部があり、おなじみのWiFiを始めとするさまざまな規格...

[続きを読む]

2018年11月22日

台風の目に飛び込む

 日本列島に大きな爪痕を残して、今年の台風シーズンがやっと終わった。台風をめぐる多くのニュースの中で目に止まったのが、名古屋大学のチームが航空機で台風の目に飛び込んで観測したというニュースだった。航空機による台風観測はかつて、米軍によって行われていたが、1987年に終了した。1977年には気象衛星ひまわりが打ち上げられており、米軍機による観測が終わるまでの10年間、航空機による観測と衛星による宇宙からの観測の両方が行われていた。つまり、台風観測史上、最も手厚い態勢が敷かれてい...

[続きを読む]

 英語による授業だけで学位が取れる名古屋大学のグローバル30(G30)国際プログラムを担当する小田洋一名誉教授の予想は大きくはずれた。というより、うれしい大誤算だった。G30の英語の授業を一般の日本人学生にももっと受けてもらおうというプロジェクトの説明会を秋学期が始まる10月1日に開いた。いったいどれくらいの学生が集まるか、悲観的な見通しだったのだが、ふたを開けてみれば大盛況、2回開かれた説明会に合わせて約70人の学生が参加、用意した資料が全く足りず、大あわてでコピーすること...

[続きを読む]

 「多くを学ぶことができ、実り多い旅でした」。初めてのウズベキスタン訪問を終えた野依良治特別教授は9月1日、日本への乗り継ぎ便を待つ仁川空港でこう語った。名古屋大学への留学生らを通じた同国政府からの強い要望を受け、多忙なスケジュールの間を縫うようにして実現した訪問だった。ノーベル賞受賞者がウズベキスタンを訪れるのは初めてとあって、行く先々で大歓迎を受け、講演や若い研究者たちとの懇談、政府や教育関係の要人らとの会見などを休む間もなくこなした。 ウズベキスタンはかつて、世界的な学...

[続きを読む]

 エレクトロニクスで世界を変える。名古屋大学未来材料・システム研究所の天野浩教授が掲げるこの目標に向けて、世界でも例のない大規模な実験施設が名大東山キャンパスの一角に完成した。天野さんが赤﨑勇・特別教授とともに開発した青色発光ダイオード(LED)は世界の照明に革命をもたらし、ノーベル賞を受賞したが、その材料である窒化ガリウム(GaN)にはさらに大きな可能性がある。誰もが快適で安全に暮らせる「超スマート社会」実現に欠かせない、高性能で消費電力の少ない次世代半導体材料の有力候補な...

[続きを読む]

著者

辻 篤子(つじ あつこ)

1976年東京大学教養学部教養学科科学史科学哲学分科卒業。79年朝日新聞社入社、科学部、アエラ発行室、アメリカ総局などで科学を中心とした報道に携わり、2004〜13年、論説委員として科学技術や医療分野の社説を担当。11〜12年には書評委員も務めた。2016年10月から名古屋大学国際機構特任教授。

書籍のご案内

当コラムが文庫本になりました。
ご購入はこちらから
» 名大生協
» Amazon

過去の記事一覧

タグ一覧

IUPAC イネ研究 ウズベキスタン クリル ジェンダー タイ トランプ政権 ノーベル賞 ピラミッド マレーシア ミューオン 世界トップレベル研究拠点プログラム (WPI) 勇気ある知識人 医療安全 博士人材 原子核乾板 名古屋大学出版会 国際交流 大学ランキング 大学博物館 女性枠 女性研究者 学術憲章 教育 新元素 日本語教育 次世代半導体 法学教育 法整備支援 法科大学院 減災 火山 炭素繊維 生命科学 異分野融合 社会科学 科学政策 窒化ガリウム 自動車工学 農学 重力波 防災 附属学校

» 掲載記事に関する免責事項

» トップページに戻る