名大ウォッチ

新聞社で長く科学報道に携わってきたジャーナリストが、学内を歩きながら、
大学の今を自由な立場で綴っていきます。

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 名古屋大学大学院医学系研究科の濱嶋信之教授は10月末、ミャンマーの旧首都ヤンゴンから車で約4時間、ジョビンガウッ郡の農村にある病院を訪ねた。ベッド数50、地方の小さな私立病院だが、はるばる訪ねたのは理由がある。この病院は、名大大学院で医療行政を学んだ卒業生によって2013年に設立され、地域医療の新しいモデル作りをめざしている。実情を視察し、今後の支援に役立てるのが訪問の目的だ。 名大が力を入れるアジア諸国での人材育成の中で、人々の生命に直結する医療は重要な分野の一つだ。育っ...

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 「ピラミッド研究最前線」と題した、高等研究院の河江肖剰准教授の講演が終わるのを待ちかねていたように、環境学研究科の渡邊誠一郎教授が口を開いた。「小惑星リュウグウではやぶさ2がやっている探査と全く同じですね」。渡邊さんは宇宙航空研究開発機構(J A X A)の小惑星探査機「はやぶさ2」の科学チームをまとめるプロジェクト・サイエンティストを務めている。河江さんはピラミッドをドローンでくまなく撮影し、そこから石の一つひとつまでを正確に記した3次元の実測図を作ったことを紹介したが、...

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2019年10月18日

モンゴルの新しい風

 ジャンチブ・ガルバドラッハさんは現在56歳、名古屋大学教育発達科学研究科の博士課程の学生だ。本職は、小中高一貫校や工科大学、高専など4校を傘下に抱えるモンゴルの私立学校、新モンゴル学園の理事長である。この学園は、東北大学の博士課程在学中だった19年前、モンゴルで日本式の教育を行いたいと自ら高校を創設したのが始まりだ。夢の実現を急ぎ、帰国するまで待ちきれなかったからだが、結果的に博士論文を書く余裕がなくなり、満期退学することになった。そして、実績を積み重ねてきた今、その経験を...

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 「クルマは、認知科学の立場から見て興味が尽きません」。そう話すのは、名古屋大学情報学研究科の三輪和久教授だ。クルマはいうまでもなく、人間に移動の自由という大きな力をあたえる道具だ。それをごく当たり前のように運転しているが、実は、知覚、記憶、運動など高度の認知的能力を必要とする。そして、時に生命に関わるリスクもある。ウインカーを出すのは行動の前の予告に当たり、通常ではないことだ。つまり、クルマを操るということはかなり特別なことなのだが、運転するときにそういう意識を持つことはほ...

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2019年08月28日

名古屋でクルマを学ぶ

 「名古屋大学での6週間のサマープログラムに参加し、自動車工学と日本文化の両方について素晴らしい体験ができました。日本へまだ行ったことがなければぜひ訪ねるようお勧めしたい。僕ももちろん、いつか再訪するつもりです」 米ミシガン大学工学部3年生のアシュイン・クリシュナ君は昨年夏、ある報告の手紙にこう書いた。しかし、そのわずか2ヶ月後、アシュイン君は再訪を果たすことなく、この世を去った。 手紙には、大学や企業の専門家に自動車の将来技術などについて講義を受け、名大では自動運転車も見る...

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著者

辻 篤子(つじ あつこ)

1976年東京大学教養学部教養学科科学史科学哲学分科卒業。79年朝日新聞社入社、科学部、アエラ発行室、アメリカ総局などで科学を中心とした報道に携わり、2004〜13年、論説委員として科学技術や医療分野の社説を担当。11〜12年には書評委員も務めた。2016年10月から名古屋大学国際機構特任教授。

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