名大ウォッチ

新聞社で長く科学報道に携わってきたジャーナリストが、学内を歩きながら、
大学の今を自由な立場で綴っていきます。

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カテゴリ:アジアから世界へ の記事一覧

2017年04月18日

小さなカフェから

 3月末、名古屋大学では卒業式を迎え、晴れがましい笑顔があふれたが、あるカップルにとっては喜びもひとしおの一週間だったに違いない。月曜日、彼が工学博士の学位を得たのに続き、木曜日には2人の婚姻届が受理されたとの知らせが届いたからだ。彼が博士課程に進んで5年余り、そして、婚姻届を出してからなんと3年もの時間がたっていた。 時間がかかったのにはわけがある。彼はイラクからの留学生で、イラク人との国際結婚をどう扱うのか、前例がないために役所も試行錯誤、手探りで書類を整えざるを得なかっ...

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 NHKの朝のニュースで1月31日、「日本の憲法を開発途上国へ」のタイトルで名古屋大学の法整備支援が取り上げられていた。全国ニュースで5分余り放映されたとあってその威力はさすがに大きく、東京の友人たちから早速、いくつか反響が届いた。その一つにはこうあった。「日本の国際貢献の一つとして実に有意義な取り組みだと改めて認識しました。アメリカは評判を落としまくり、こわもてな大国が幅を利かせる中、日本にはこうしたソフトな貢献がふさわしいのだと心底思います」。名大の法整備支援について私が...

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著者

辻 篤子(つじ あつこ)

1976年東京大学教養学部教養学科科学史科学哲学分科卒業。79年朝日新聞社入社、科学部、アエラ発行室、アメリカ総局などで科学を中心とした報道に携わり、2004〜13年、論説委員として科学技術や医療分野の社説を担当。11〜12年には書評委員も務めた。2016年10月から名古屋大学国際機構特任教授。

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