名大ウォッチ

新聞社で長く科学報道に携わってきたジャーナリストが、学内を歩きながら、
大学の今を自由な立場で綴っていきます。

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カテゴリ:アジアから世界へ の記事一覧

 「多くを学ぶことができ、実り多い旅でした」。初めてのウズベキスタン訪問を終えた野依良治特別教授は9月1日、日本への乗り継ぎ便を待つ仁川空港でこう語った。名古屋大学への留学生らを通じた同国政府からの強い要望を受け、多忙なスケジュールの間を縫うようにして実現した訪問だった。ノーベル賞受賞者がウズベキスタンを訪れるのは初めてとあって、行く先々で大歓迎を受け、講演や若い研究者たちとの懇談、政府や教育関係の要人らとの会見などを休む間もなくこなした。 ウズベキスタンはかつて、世界的な学...

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 アジア諸国の将来を担う人材に、仕事をしながら博士の学位を取ってもらう。そんな狙いで設立された名大アジアサテライトキャンパス学院の「国家中枢人材養成プログラム」から9月末、初の博士が3人誕生した。仕事を終えた平日の夜や週末を研究に当て、「とにかく大変だった」と口をそろえるが、テレビ会議などを通じた手厚い指導もあって3年で博士論文をまとめ上げた。 学位を得たのは、法学ではモンゴルのウランバートル市控訴行政裁判所判事で大学でも教鞭をとるツェンド・ツォグトさんとベトナム計画投資省法...

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2017年08月21日

同窓生がつなぐもの

 マレーシアの首都クアラルンプールにあるマラヤ大学の講堂で7月31日、「ノーベル賞への道」と題した益川敏英特別教授の講演会が開かれた。これまでに20回以上も聞き役を務めてきたベテランの杉山直・理学研究科長が今回も登壇、マラヤ大教授の質問に答える形で、益川さんの子供の頃の思い出から学生時代、ノーベル賞につながった研究、そして若者へのアドバイスまで、知られざるエピソードも交えながら話を引き出していった。大講堂を埋めた学生たちは感激の面持ちで聞き入り、次々に質問も出た。 [[grp...

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 シルクロードの要衝の地であり、学問や文化の中心としても栄えたウズベキスタンの古都サマルカンド。ソウルで飛行機を乗り継いでタシケントまで約7時間、さらに車で約4時間、はるか彼方の中央アジアの町で、日本にあこがれる日本語専攻の学生たちに出会った。私たち名古屋大学の一行に対して彼らが口々に訴えたのは、日本人の先生から日本語を学びたい、ということだった。いったいどういうことなのか。そして、私たちにできることはあるのか。  ウズベキスタンの首都タシケントには名大の事務所があり、アジア...

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 日本語による日本法教育を行っている名古屋大学日本法教育研究センター(Research and Education Center for Japanese Law 、略称CJL)が2006年秋にモンゴル国立大学に開設されて10年、それを記念する式典が今年3月、ウランバートルにある同大学で開かれた。参加して強い印象を受けたのは、学生たちの見事なスピーチだ。 主催者である大学の責任者や来賓の挨拶はそれぞれ通訳がつく一方で、学生たちは短く区切りながらまずモンゴル語で、次いで日本語で...

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著者

辻 篤子(つじ あつこ)

1976年東京大学教養学部教養学科科学史科学哲学分科卒業。79年朝日新聞社入社、科学部、アエラ発行室、アメリカ総局などで科学を中心とした報道に携わり、2004〜13年、論説委員として科学技術や医療分野の社説を担当。11〜12年には書評委員も務めた。2016年10月から名古屋大学国際機構特任教授。

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