名大ウォッチ

新聞社で長く科学報道に携わってきたジャーナリストが、学内を歩きながら、
大学の今を自由な立場で綴っていきます。

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 シルクロードの要衝の地であり、学問や文化の中心としても栄えたウズベキスタンの古都サマルカンド。ソウルで飛行を乗り継いでタシケントまで約7時間、さらに車で約4時間、はるか彼方の中央アジアの町で、日本にあこがれる日本語専攻の学生たちに出会った。私たち名古屋大学の一行に対して彼らが口々に訴えたのは、日本人の先生から日本語を学びたい、ということだった。いったいどういうことなのか。そして、私たちにできることはあるのか。  ウズベキスタンの首都タシケントには名大の事務所があり、アジアに...

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 5月末のある日、理学部の坂田・平田ホールを高校生たちが埋めた。アジアの高校生を招いて交流する科学技術振興機構の「さくらサイエンスプラン」で来日したインド、ネパール、ブータンの高校生約90人、そして名大教育学部附属高校の1年生約120人である。アジアの高校生たちは約1週間の滞在中、ノーベル賞受賞者の講演を聴いたり、大学を訪ねたり、また日本の高校生たちと交流したり、日本文化の体験をしたりする。盛りだくさんのプログラムで、日本の科学技術への関心を高めてもらうのがねらいだ。  ホー...

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 日本語による日本法教育を行っている名古屋大学日本法教育研究センター(Research and Education Center for Japanese Law 、略称CJL)が2006年秋にモンゴル国立大学に開設されて10年、それを記念する式典が今年3月、ウランバートルにある同大学で開かれた。参加して強い印象を受けたのは、学生たちの見事なスピーチだ。 主催者である大学の責任者や来賓の挨拶はそれぞれ通訳がつく一方で、学生たちは短く区切りながらまずモンゴル語で、次いで日本語で...

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2017年04月18日

小さなカフェから

 3月末、名古屋大学では卒業式を迎え、晴れがましい笑顔があふれたが、あるカップルにとっては喜びもひとしおの一週間だったに違いない。月曜日、彼が工学博士の学位を得たのに続き、木曜日には2人の婚姻届が受理されたとの知らせが届いたからだ。彼が博士課程に進んで5年余り、そして、婚姻届を出してからなんと3年もの時間がたっていた。 時間がかかったのにはわけがある。彼はイラクからの留学生で、イラク人との国際結婚をどう扱うのか、前例がないために役所も試行錯誤、手探りで書類を整えざるを得なかっ...

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 3月半ばに東京・上野の日本学士院で「ニホニウム命名記念式典」があり、理化学研究所が世界で初めて合成した原子番号113の新元素を「ニホニウム」と命名することが公式に宣言された。メンデレーエフが1869年に発表して以来、欧米勢が埋めてきた周期表に、初めてアジア生まれの元素が載ることになる。歴史的といっていい出来事である。その記念式典に参列して、さまざまなことを考えさせられた。 まず思ったのは、もし合成がもう少し早ければ、日本人によってニホニウムの命名が宣言されたはず、ということ...

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著者

辻 篤子(つじ あつこ)

1976年東京大学教養学部教養学科科学史科学哲学分科卒業。79年朝日新聞社入社、科学部、アエラ発行室、アメリカ総局などで科学を中心とした報道に携わり、2004〜13年、論説委員として科学技術や医療分野の社説を担当。11〜12年には書評委員も務めた。2016年10月から名古屋大学国際機構特任教授。

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