名大ウォッチ

新聞社で長く科学報道に携わってきたジャーナリストが、学内を歩きながら、
大学の今を自由な立場で綴っていきます。

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 世界大学ランキングに注目が集まっている。この秋の発表では、国内トップの東大は前年の39位から46位へと順位を下げ、新聞各紙には「過去最低」という見出しが躍った。10年前は17位、アジアでは首位だったが、今回はシンガポールや中国、香港の5大学に続く6位にとどまった。次の京大は91位から順位を上げて74位、続く阪大、東北大は201-250位、東工大251-300位、名大301-350位という結果だった。ちなみに、名大も10年前は国内では今回同様6位、世界112位だった。日本の大...

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 ピラミッドの中に大きな空間を発見したという名古屋大学の研究発表は、世界的な大ニュースとなり、耳目を集めた。その話をさらに聞くうち、ピラミッドに負けず劣らず興味をそそられたのは、発見に使われた原子核乾板をめぐる過去から未来に至るストーリーである。原子核乾板といっても、今や薄いプラスチックの、いってみれば写真のフィルムである。研究の世界では、カミオカンデに代表されるような、とらえた信号を電気に変換してリアルタイムで検出するデジタルのシステムが主流となり、原子核乾板は使われなくな...

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 電気自動車(EV)に自動運転、将来の車のあり方をめぐる話を聞かない日はない。「狂騒曲」とまで言われるほどの過熱ぶりである。何がどう広がっていくのか、どこの誰がリードすることになるのか、その行方はまだ混沌としているが、車というものが大きく変わり、引いては自動車産業の姿も一変しかねない。競争は激しく、関心も集まるゆえんだ。 そうした中、名大で行われたある発表を聞いて、将来の車がどういう形になるにせよ、必要とされる技術があることに気づかされた。車体をできるだけ軽く作る材料である。...

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 一連のノーベル賞の発表が終わった。2年続けて女性の受賞がなかったことから、物理学賞、化学賞、経済学賞の選考を担うスウェーデン王立科学アカデミーの事務局長は経済学賞発表後の記者会見で、来年以降の推薦依頼にあたっては、女性科学者を推薦するよう求めたいと話した。実際、ノーベル賞は1901年から今年までに923の個人・団体に贈られているが、女性受賞者は48人だけだ。科学関係の3賞ではさらにその数は限られ、最も多い医学・生理学賞でも214人中12人、化学賞は178人中4人、物理学賞は...

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 アジア諸国の将来を担う人材に、仕事をしながら博士の学位を取ってもらう。そんな狙いで設立された名大アジアサテライトキャンパス学院の「国家中枢人材養成プログラム」から9月末、初の博士が3人誕生した。仕事を終えた平日の夜や週末を研究に当て、「とにかく大変だった」と口をそろえるが、テレビ会議などを通じた手厚い指導もあって3年で博士論文をまとめ上げた。 学位を得たのは、法学ではモンゴルのウランバートル市控訴行政裁判所判事で大学でも教鞭をとるツェンド・ツォグトさんとベトナム計画投資省法...

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著者

辻 篤子(つじ あつこ)

1976年東京大学教養学部教養学科科学史科学哲学分科卒業。79年朝日新聞社入社、科学部、アエラ発行室、アメリカ総局などで科学を中心とした報道に携わり、2004〜13年、論説委員として科学技術や医療分野の社説を担当。11〜12年には書評委員も務めた。2016年10月から名古屋大学国際機構特任教授。

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